「逃げちゃダメだ」、「とにかく続けることが大事」みたいな考え方ってあると思うんだけど。
「逃げる」んじゃなくて、「退く(ひく)」ことができるのは、結構大事。
「逃げる」って言葉には後ろめたさがある。
「退く」っていう言葉には前向きな方向性がある。
どっちも行動としては同じだけど、考え方は180°違うわけで。
「退く」ことよりも、「逃げる」ことの方が何倍もエネルギーを使う。
「一度逃げたら逃げ癖がつくぞ」って言われたことがあった。
そこで「あ、逃げるって悪いことなんだな」って自分の中で納得してしまって。
鬱で休職する時、とてつもなく大きくて暗い罪悪感に飲み込まれた。
それこそあの時の休職という選択は、自分にとっては完全に「逃げ」だった。
一生自分の中で「逃げたこと」として刻まれ続けるだろうし、罪悪感は消えない。
でも、休職っていう「逃げ」を経験したおかげで、「退く」っていう選択肢を選べるようになった。
「これ以上やったら、しんどいな」とか「あ、今自分無理してるな」って、そういう感覚に気づけるようになったというか。
今は無理してまで「やる」必要はないなって思う。
大きくなった「無理の爆弾」は、やがてまわりの人まで巻き込んでしまうから。
それまで自分には無限のエネルギーがあると思ってたんだと思う。
「できないのは努力不足」、「もっと頑張ってる人はいる」、そんな呪文で自分を追い詰めていた。
今はできない時は「できない」って言うし、やりたくないことは「やらない」って言えるようになってきた。
「逃げる」んじゃなくて、冷静に考えて「退く」ということ。
その人に言わせれば「逃げ癖がついた」のかもしれない。
でも自分の中で納得して選んでいるんなら、退けばいいし、やめればいいと思う。
自分が壊れる前に「退く」ことは悪いことじゃないし、むしろ正しい判断なんだ。
って、今は思う。
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